「不動産を売却したいけれど、どんなことに注意すればいいのかわからない」
「初めての不動産売却で失敗したくない」
このような不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
不動産売却は人生で何度も経験するものではないため、注意点を把握しておかないと、思わぬトラブルや損失につながる可能性があります。
本記事では、
- 不動産売却の活動前・活動中・活動後における注意点
- 不動産売却の方法や費用について
- 不動産売買契約や確定申告で気をつけるべきポイント
などについて詳しく解説します。
この記事を最後まで読むと、不動産売却の段階別での注意点を理解でき、安心して売却活動を進められるようになりますよ。
目次
【売却活動前】不動産売却の注意点

不動産の売却活動を始める前に押さえておくべき注意点は、以下の3つです。
- 自分に合う不動産売却の方法を選ぶ
- 不動産売却しやすい時期とスケジュールを把握しておく
- 不動産売却にかかる費用を把握しておく
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自分に合う不動産売却の方法を選ぶ
不動産売却には、主に以下の3つの方法があります。
- 仲介
- 買取
- リースバック
仲介
仲介のメリット | 仲介のデメリット |
・市場価格に近い金額で売却できる ・買主を広く募集できる | ・売却まで時間がかかる場合がある ・仲介手数料が発生する ・内覧対応が必要になる |
仲介は、不動産会社に依頼して買主を探してもらう最も一般的な売却方法です。
不動産会社が広告やネットワークを活用して広く買主を募集するため、市場価格に近い金額で売却しやすくなります。
ただし、買主が見つかるまで数か月かかる場合もあり、内覧対応などの手間も発生します。
仲介は、時間をかけてでも高値で売却したい方に適した方法といえるでしょう。
買取
買取のメリット | 買取のデメリット |
・短期間で売却できる ・仲介手数料がかからない ・内覧対応が不要になる | ・売却価格が仲介より低くなる ・買取業者が限られる |
買取は、不動産会社が直接物件を買い取る方法です。
買主を探す必要がないため、最短で数日から1か月程度で不動産を現金化できます。
また、仲介手数料がかからず、内覧対応も不要なため、手間を省けるメリットがあります。
ただし、買取価格は市場価格の7〜8割程度になることが一般的です。
買取は、急いで現金化したい場合や、築年数が古く仲介での売却が難しい場合に向いています。
リースバック
リースバックのメリット | リースバックのデメリット |
・売却後も住み続けられる ・まとまった資金を確保できる ・引っ越しが不要になる | ・売却価格が仲介より低くなる ・家賃の支払いが発生する ・契約期間に制限がある場合もある |
リースバックは、不動産会社に物件を売却した後、賃貸借契約を結んで同じ物件に住み続けられる方法です。
まとまった資金を確保しながら家に住み続けられ、引っ越しの手間がかかりません。
ただし、売却価格は仲介より低くなり、売却後は毎月の家賃を支払う必要があります。
リースバックは、資金調達が必要だが引っ越しはしたくない方や、将来的に買い戻しを検討している方におすすめの方法です。
自分の状況や目的に合わせて、最適な売却方法を選ぶことが重要です。
不動産を売却しやすい時期とスケジュールを把握しておく
不動産を売却する際は、需要が高まる時期とスケジュールの目安を把握しておくことが大切です。
一般的に、2〜3月は新年度に向けた転勤や進学で住み替え需要が増えるため、売却しやすい時期といえます。
また、9〜11月も転勤シーズンにあたり、比較的需要が高い傾向にあります。
仲介の場合、売却活動は通常3〜6か月程度かかるため、希望する引き渡し時期から逆算してスケジュールを立てることが重要です。
たとえば、3月末に引き渡しを希望する場合は、前年の10月頃から準備を始める必要があります。
余裕を持ったスケジュールを組むことで、焦らず適切な価格で売却できる可能性が高まるでしょう。
なお、不動産売却のタイミングや売り時についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
https://iimon.co.jp/column/real-estate-sale-timing
不動産売却にかかる費用を把握しておく
不動産売却では、売却価格がそのまま手元に残るわけではなく、以下のような費用が発生します。
費用 | 費用相場 | 備考 |
仲介手数料 | (売買価格 × 3% + 6万円)+消費税 | 売買価格が400万円を超える場合 |
印紙税 | 5,000円〜3万円 | 売買価格によって変動 |
登記費用 | 1〜5万円 | 司法書士に依頼する場合に必要 |
引っ越し費用 | 5〜20万円 | 引っ越し時期や距離、荷物の量で変動 |
譲渡所得税 | 譲渡益の約20〜40% | 売却で利益が発生した場合にかかる税金 |
譲渡所得税は、不動産を売却して利益が出た場合に課税される税金です。
国税庁によると、譲渡所得税の税率は不動産の所有期間によって以下のように大きく異なります。
譲渡所得税の種類 | 短期譲渡所得 (所有期間5年以下) | 長期譲渡所得 (所有期間5年超) |
所得税 | 30% | 15% |
住民税 | 9% | 5% |
復興特別所得税 | 0.63% | 0.315% |
合計 | 39.63% | 20.315% |
不動産売却でかかる税金を把握するには、事前に税理士などに相談して試算しておくことがおすすめです。
【売却活動中】不動産売却の注意点

続いて、不動産の売却活動中に気をつけるべき注意点として、以下の3つを押さえておきましょう。
- 複数の不動産会社に査定を依頼する
- 希望条件や物件の不具合は正確に伝える
- 不動産売買契約書を細かく確認する
それぞれ詳しく解説します。
複数の不動産会社に査定を依頼する
不動産の査定額は、不動産会社によって数百万円単位で差が出ることも珍しくありません。
そのため、1社だけでなく3〜5社程度の複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。
複数社に査定を依頼することで、適正な相場価格を把握できるだけでなく、各社の対応や提案内容を比較できます。
ただし、単純に高い査定額を提示した会社を選ぶのではなく、査定の根拠や売却戦略をしっかり説明してくれる会社を選ぶことが大切です。
高すぎる査定額は契約を取るための戦略の可能性もあり、結果的に売れ残って値下げを余儀なくされるケースもあります。
査定額の妥当性と担当者の信頼性を総合的に判断して、仲介を依頼する不動産会社を選びましょう。
希望条件や物件の不具合は正確に伝える
不動産会社や買主に対して、希望条件や物件の不具合を正確に伝えることが重要です。
不動産会社には、売却希望価格や引き渡し時期などの条件を明確に伝えることで、スムーズに進めやすくなります。
また、雨漏りやシロアリ被害、設備の故障などの不具合を不動産会社や買主に隠して売却すると、後から契約不適合責任を問われる可能性があります。
契約不適合責任とは、売買契約の内容と実際の物件の状態が異なる場合に、売主が負う責任のことです。
買主から契約解除や損害賠償を請求されるリスクがあるため、知っている不具合は必ず事前に伝えましょう。
不動産売買契約書を細かく確認する
買主が見つかり売買契約を結ぶ際には、契約書の内容を細かく確認することが必須です。
とくに、以下のポイントは重点的にチェックしましょう。
- 売買価格や支払い条件
- 引き渡し時期と条件
- 手付金の金額
- 契約解除に関する条項
- 契約不適合責任の範囲と期間
- 特約事項
契約不適合責任については、売主が責任を負う範囲や期間が明記されているかを必ず確認しましょう。
わからない点や不明瞭な表現がある場合は、署名・捺印する前に、必ず不動産会社に確認することが大切です。
契約後の変更は困難となるため、契約を締結する前に慎重に内容を精査しましょう。
【売却活動後】不動産売却の注意点

不動産の売却活動が完了した後にも、以下の2つの注意点があります。
- 期日までに引き渡す
- 確定申告を行う
それぞれ見ていきましょう。
期日までに引き渡す
不動産売買契約の締結後は、定めた期日までに確実に物件を引き渡す必要があります。
引き渡しが遅れると、買主に迷惑をかけるだけでなく、契約違反として損害賠償を請求される可能性もあります。
引き渡しまでに、主に以下の準備を済ませておきましょう。
- 引っ越しの完了
- 物件内の清掃
- 残置物の撤去
スムーズに引き渡すために、余裕を持ったスケジュールで準備を進めましょう。
確定申告を行う
不動産を売却して利益が出た場合や、特例を利用する場合は、翌年の2月16日から3月15日までに確定申告を行う必要があります。
たとえば、2025年内に不動産を売却した場合は、2026年の2月16日から3月15日の間に確定申告することになります。
申告を忘れると、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課される可能性があるため、必ず期限内に手続きを済ませましょう。
また、マイホームの売却では3,000万円の特別控除など、税負担を軽減できる特例があります。
売却によって損失が出た場合でも、損益通算の特例を利用できる可能性があります。
これらの特例を利用する場合も確定申告が必要となるため、詳しくは税理士や税務署に相談しましょう。
出典1:国税庁|No.3302 マイホームを売ったときの特例
出典2:国税庁|No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)
まとめ
不動産売却を成功させるには、売却活動の各段階で注意すべきポイントを押さえておくことが重要です。
各段階の注意点をまとめると、以下のようになります。
段階 | 主な注意点 |
売却活動前 | ・自分に合った売却方法(仲介・買取・リースバック)を選ぶ ・不動産売却しやすい時期とスケジュールを把握しておく ・不動産売却にかかる費用を把握しておく |
売却活動中 | ・複数の不動産会社に査定を依頼する ・希望条件や物件の不具合は正確に伝える ・不動産売買契約書を細かく確認する |
売却活動後 | ・期日までに引き渡す ・確定申告を行う |
これらの注意点を理解しておくことで、トラブルを避けながらスムーズに不動産売却を進められるでしょう。
不動産売却は専門的な知識が必要となる場面も多いため、不明な点があれば不動産会社や専門家に相談することをおすすめします。
この記事で紹介した注意点を参考にして、納得のいく不動産売却を目指しましょう。

iimon 編集部












