不動産を売却する際「どこの会社に依頼すればいいのか」と悩む人も多いでしょう。
「大手」不動産会社、「地元」の地域密着型の会社、それぞれに特徴があり、選び方次第で売却価格や期間が大きく変わります。
そこでこの記事では、以下について詳しく解説します。
- 「大手」と「地元」のメリット・デメリット比較
- 不動産売却を成功させるための会社選びのポイント
- 不動産会社選びでの注意点
最後まで読み進めることで、理想的な不動産売却を実現できる可能性が高まります。
目次
- •
「大手」「地元」不動産売却はどこに依頼するのがいい?
「大手」に不動産売却を依頼するメリット・デメリット
「地元」に不動産売却を依頼するメリット・デメリット
- •
不動産売却を成功させる会社選びの7つのポイント
ポイント1:売却実績が豊富で信頼できるか
ポイント2:物件のあるエリアに精通しているか
ポイント3:査定額に明確な根拠があるか
ポイント4:担当者が誠実に対応してくれるか
ポイント5:販売戦略の提案力があるか
ポイント6:仲介手数料とサービス内容が適切か
ポイント7:インターネットでの広告掲載は充実しているか
- •
売却前に要チェック!不動産会社選びでの注意点
注意点1:査定額の高さだけで決めない
注意点2:媒介契約の方法は慎重に検討する
- •
まとめ
「大手」「地元」不動産売却はどこに依頼するのがいい?

不動産売却の依頼先として、主に「大手」不動産会社と「地元」の地域密着型の会社があります。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、物件の特性や売主の状況に応じて選択することが大切です。
大手と地元それぞれの特徴を詳しく見ていきます。
「大手」に不動産売却を依頼するメリット・デメリット
まずは大手不動産会社のメリットとデメリットを解説します。
「大手」に不動産売却を依頼するメリット
大手不動産会社の強みは、全国規模のネットワークと豊富な販売チャネルです。
スーモやホームズなどの大手ポータルサイトへの広告掲載が充実しているため、より多くの購入希望者の目に触れる機会があります。
また、充実したアフターサービスやブランド力による安心感も、大手ならではの利点です。
とくにマンションや人気エリアの物件については、同様の取引事例を豊富に持っています。
そのため、適正価格での売却が期待でき、価格設定で失敗するリスクを減らせます。
「大手」に不動産売却を依頼するデメリット
大手不動産会社には、組織ならではの課題もあります。
まず、担当者の異動が多く、売却期間中に担当が変わる可能性がある点に注意が必要です。
担当者が変わると、それまでの経緯や売主の要望が十分に引き継がれないケースもあります。
さらに、一人の担当者が多くの物件を抱えているため、個別の物件に十分な時間をかけられない場合もあります。
営業ノルマが厳しい会社では、売主の希望よりも早期成約を優先される可能性もゼロではありません。
こうした点から、きめ細かい対応を求める売主にとっては、物足りなさを感じることもあるでしょう。
「地元」に不動産売却を依頼するメリット・デメリット
続いて、地元の不動産会社のメリットとデメリットを解説します。
「地元」に不動産売却を依頼するメリット
地元不動産会社の強みは、地域に密着した情報力とネットワークです。
その地域の相場や特性を熟知しており、地元の購入希望者リストを持っていることも少なくありません。
長年その地域で営業している会社であれば、地元の人脈を活かした独自の販売ルートを持っています。
また、一人の担当者が抱える物件数をコントロールしやすく、きめ細かい対応が期待できます。
売主の要望にも柔軟に応えてくれやすく、時間をかけた丁寧なサポートを受けられる可能性が高いでしょう。
地域での評判を大切にするため、誠実な対応を心がける会社が多いのも特徴です。
地元での信用を失うことは、そのまま経営に直結するため、一つひとつの取引を大切にする傾向があります。
地元に不動産売却を依頼するデメリット
地元の不動産会社には、広告予算の制約という課題があります。
大手ポータルサイトへの掲載料は高額なため、掲載を見送る会社も少なくありません。
その結果、広範囲への情報発信力では大手に劣るケースもあり、購入希望者との接点が限られる可能性があります。
また、会社や担当者によって実力にばらつきがあり、見極めが難しい点にも注意が必要です。
大手のように研修制度が整っていないこともあり、担当者の経験値や知識に差が出やすくなっています。
経営基盤が弱い会社もあるため、万が一のトラブル時の対応力に不安が残る場合もあります。
契約後のサポート体制や、トラブル発生時の補償制度なども事前に確認しておくことが大切です。
不動産売却を成功させる会社選びの7つのポイント

不動産会社を選ぶ際には、複数の観点から総合的に判断することが重要です。
会社選びの具体的なポイントは、以下のとおりです。
- 売却実績が豊富で信頼できるか
- 物件のあるエリアに精通しているか
- 査定額に明確な根拠があるか
- 担当者が誠実に対応してくれるか
- 販売戦略の提案力があるか
- 仲介手数料とサービス内容が適切か
- インターネットでの広告掲載は充実しているか
それぞれ詳しく解説します。
ポイント1:売却実績が豊富で信頼できるか
不動産会社を選ぶ際は、まず売却実績を確認することが重要です。
とくに確認すべきなのは、自身の売りたい物件と同じタイプの取引実績があるかどうかです。
マンションが得意な会社もあれば、戸建てに強い会社もあります。
同じ不動産でも、マンションと戸建てでは注意すべきポイントや契約書に盛り込む特約も異なります。
各社のホームページで、年間の仲介件数や取り扱い物件の種類をチェックしてみましょう。
豊富な実績がある会社であれば、適正価格での売却や円滑な取引が期待できます。
ポイント2:物件のあるエリアに精通しているか
不動産売却では、地域の特性や相場を深く理解している会社を選ぶことが重要です。
そのエリアに営業店舗があるか、その地域での売却経験が豊富かを確認しましょう。
地域に精通した不動産会社は、以下のような情報を購入希望者に的確に伝えられます。
- 近隣の学校
- 商業施設
- 交通の利便性 など
また、地域に精通している会社であれば、その地域ならではの需要や、どのような層が購入を検討しているかも把握しています。
査定時に、「この地域は○○な層に人気があります」「近隣で××の開発予定があります」など、具体的な情報を提供してくれる会社は、エリアに精通していると言えるでしょう。
こうした地域情報は、適切な価格設定や効果的な販売戦略を立てるうえで欠かせません。
ポイント3:査定額に明確な根拠があるか
査定額の提示で重要なのは、「なぜその価格なのか」を論理的に説明できるかです。
信頼できる不動産会社は、以下のような情報をもとに、査定額の根拠を明確に示してくれるはずです。
- 近隣の成約事例
- 現在の市場動向
- 物件の特徴
また、「お客様の物件は南向きなのでプラス○○万円」「土地の形が歪であるため近隣事例よりも査定額は下がる」など、プラス要素とマイナス要素を丁寧に説明してくれる会社は信頼できるでしょう。
単に高い査定額を提示するだけでなく、その価格で売却できる可能性についても正直に伝えてくれるかがポイントです。
根拠のない高額査定は、契約を取るための「釣り査定」の可能性もあるため注意が必要です。
ポイント4:担当者が誠実に対応してくれるか
不動産売却の成否は、担当者の質に大きく左右されます。
初回の問い合わせや査定時の対応から、担当者の誠実さを見極めることが大切です。
良い担当者は、売主の話をじっくり聞いてくれて、不安や疑問に丁寧に答えてくれます。
また、レスポンスの早さや、約束を守るかどうかも判断材料になります。
質問に対して曖昧な回答をしたり、連絡が遅かったりする担当者は、売却活動でも同様の対応になる可能性が高いでしょう。
ポイント5:販売戦略の提案力があるか
優れた不動産会社は、査定額を提示するだけでなく、「どのように売るか」という販売戦略を具体的に提案してくれます。
たとえば、以下のような項目をもとに総合的な戦略を示してくれるかチェックしましょう。
- ターゲットとなる購入層の分析
- 適切な売り出し価格の設定
- 広告媒体の選定
- 内覧時のポイント など
担当者から、「この価格でスタートし、反応を見ながら○か月後に見直しましょう」という、段階的なプランがあると安心できるでしょう。
また、過去の成功事例を交えながら説明してくれる会社は、提案力が高いと言えます。
単に「頑張ります」という精神論ではなく、具体的な数字や期間を示した現実的なプランがあるかを確認してみてください。
ポイント6:仲介手数料とサービス内容が適切か
仲介手数料は法律で上限が定められており、売買価格が400万円を超える場合は「売却価格×3%+6万円+消費税」が上限となっています。(※)
この仲介手数料の計算式はあくまで上限であり、会社によっては割引してくれる会社もあります。
しかし、安ければ良いというわけではなく、手数料に見合ったサービスが提供されるかが重要です。
広告費用は別途請求されないか、写真撮影やホームステージング、トラブル発生時の対応などのサービスは含まれているかを確認しましょう。
割引率が高くても、広告掲載が限定的だったり、サポートが不十分だったりする場合は、結果的に売却に時間がかかる可能性があります。
手数料の金額だけでなく、その内訳やサービス内容を総合的に判断することが大切です。
(※)出典:国土交通省|<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ「不動産取引の仲介手数料について」
ポイント7:インターネットでの広告掲載は充実しているか
現在、購入希望者の大多数がインターネットで物件を探しています。
そのため、スーモ、ホームズ、アットホームなどの主要ポータルサイトに広告を掲載できるかが重要なポイントです。
不動産会社がどのサイトに掲載予定か、写真は何枚掲載できるか、動画やVR内見に対応しているかを確認してみましょう。
ポータルサイトによって掲載料が異なるため、地場の会社では高額な掲載料を取られるポータルサイトを使わないケースも少なくありません。
また、会社の自社ホームページの充実度も重要なポイントです。
自社サイトが見やすく、物件情報が詳しく掲載されているかをチェックしましょう。
インターネット広告に力を入れている会社は、より多くの購入希望者の目に触れる機会を作れます。
掲載する写真の質や物件紹介文の書き方なども、購入希望者の印象を大きく左右するため確認しておきたいポイントです。
売却前に要チェック!不動産会社選びでの注意点

不動産会社を選ぶ際には、いくつかの注意すべきポイントがあります。
ここでは、失敗しないために押さえておきたい2つの注意点を解説します。
- 査定額の高さだけで決めない
- 媒介契約の方法は慎重に検討する
ぜひ読み進めてみてください。
注意点1:査定額の高さだけで決めない
不動産会社選びで多い失敗が、査定額の高さだけで会社を決めてしまうことです。
相場より明らかに高い査定額を提示する会社は、契約を取るための「釣り査定」の可能性もあります。
実際には、売り出し後に「やはりこの価格では売れませんね」と値下げを提案され、結局は相場通りか、それ以下で売却することになるケースが少なくありません。
つまり、最初から適正価格で売り出していれば避けられた時間のロスが発生してしまうのです。
売却期間が長引けば長引くほど、物件は「売れ残り」というイメージがつき、相場よりも下がる可能性もあります。
購入希望者は「なぜこの物件は長期間売れていないのか」と疑問を持ち、値下げ交渉を強気に進めてくる傾向があります。
適正価格での売り出しを行うためには、複数社の査定額を比較し、その根拠をしっかり聞いて、納得できる説明をしてくれた会社を選びましょう。
極端に高い査定額や極端に低い査定額を除いた、中間値あたりの査定額が適正価格である可能性が高いといえます。
注意点2:媒介契約の方法は慎重に検討する
不動産売却では、不動産会社と「媒介契約」を結ぶ必要があります。
媒介契約には「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
契約タイプ | 専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 |
契約できる会社数 | 1社のみ | 1社のみ | 複数社可能 |
自己発見取引 | 不可 | 可能 | 可能 |
レインズ登録義務 | 5日以内 | 7日以内 | 義務なし |
活動報告義務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 義務なし |
メリット | 会社が積極的に販売活動を行う/手厚いサポートが期待できる | 会社が積極的に販売活動を行う/自分で買主を見つけることも可能 | 複数社に依頼できる/競争原理が働く |
デメリット | 他社の顧客を紹介してもらえない/会社の実力に結果が左右される | 他社の顧客を紹介してもらえない/会社の実力に結果が左右される | 会社の熱意が下がる可能性がある/活動報告がないため状況把握が難しい |
不動産会社のなかには、自社に有利な「専任媒介契約」を強く勧めてくる会社もいますが、安易に応じるのは危険です。
専任媒介は1社のみに依頼するため、その会社の実力次第で結果が大きく変わります。
一般媒介なら複数社に依頼でき、競争原理が働きますが、会社側の熱意が下がる可能性もあります。
自分の状況や物件の特性に合わせて、最適な契約形態を選択することが大切です。
たとえば、人気エリアの物件や売りやすい物件であれば一般媒介でも問題ありません。
一方、売却が難しい物件や、じっくりと販売戦略を練る必要がある物件は、専任媒介で手厚いサポートを受ける方が良い結果につながる可能性があります。
まとめ
不動産売却を成功させるには、大手と地元それぞれのメリット・デメリットを理解し、物件の特性に合った会社を選ぶことが重要です。
査定額だけでなく、実績・提案力・担当者の誠実さなど7つのポイントを総合的にチェックしましょう。
また、査定額の高さだけで判断せず、媒介契約の種類も慎重に検討することで、理想的な売却を実現できる可能性が高まります。

iimon 編集部










