「不動産を売却したいけれど、いつ売るのがベストなのだろう」
「不動産をできるだけ高く売りたいが、タイミングの見極め方がわからない」
このような悩みを抱えている方は多いでしょう。
不動産を適切なタイミングで売却できれば、より高い価格で売却できるうえ、税金面でも有利になります。
本記事では、
- 不動産売却のタイミングを見極める6つのポイント
- 相続や離婚時の最適な売却タイミング
などについて詳しく解説します。
この記事を最後まで読むと、ご自身の不動産の最適な売却タイミングを判断でき、納得のいく売却を実現しやすくなりますよ。
目次
不動産売却のタイミングを見極めるポイント6選

不動産売却のタイミングを見極めるには、以下の6つのポイントを押さえることが重要です。
- 不動産市場や社会情勢の動向
- 時期
- 築年数
- 税金
- 金利
- 周辺環境の変化
それぞれ詳しく解説します。
ポイント1:不動産市場や社会情勢の動向
不動産価格は景気や経済状況によって変動するため、市場が活況な時期に売却すれば、高値で取引できる可能性が高まります。
国土交通省が2025年9月に公表した「不動産価格指数(2025年6月分)」によると、2010年の不動産価格の平均を100とした場合、住宅の不動産価格指数は以下のとおりです。

| 不動産価格指数(全国) | 対前月比(%) |
住宅総合 | 144.1 | 0.7 |
住宅地 | 119.6 | 1.2 |
一戸建て住宅 | 118.8 | 0.3 |
マンション(区分所有) | 216.8 | 0.8 |
住宅総合・住宅地・一戸建て住宅いずれも緩やかに上昇しています。
とくにマンションは右肩上がりの状態となっており、不動産売却のタイミングとしては好機といえるでしょう。
今後、さらに価格が上昇する可能性もありますが、下落しない保証はないため、最終的にはご自身で判断する必要があります。
定期的に不動産情報サイトや国土交通省の地価公示などをチェックし、市場の動きを把握しておくことが大切です。
ポイント2:時期
不動産売却には、需要が高まる時期が存在します。
一般的に、2〜3月にかけての時期は、新年度に向けた転勤や進学などで住み替え需要が高まるため、売却に適しているといえるでしょう。
公益財団法人 不動産流通推進センターの「指定流通機構の活用状況について(令和7年9月分)」によると、売物件の成約報告は以下のように3月が最も多いことがわかります。

出典:公益財団法人 不動産流通推進センター|指定流通機構の活用状況について(令和7年9月分)
2〜3月頃は買い手が増えるため、早期売却や高値での取引が期待できるでしょう。
ただし、繁忙期は競合物件も増えるため、物件の魅力を適切にアピールすることが重要です。
ポイント3:築年数
一般的に、建物の築年数が経過すると、売却価格も下落します。
公益財団法人 東日本不動産流通機構の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2024年)」によると、首都圏における築年数別の成約価格は以下のとおりです。
築年数 | 中古マンション | 中古一戸建て住宅 |
築0〜5年 | 7,808万円 | 5,131万円 |
築6〜10年 | 7,156万円 | 5,034万円 |
築11〜15年 | 6,619万円 | 4,777万円 |
築16〜20年 | 5,972万円 | 4,384万円 |
築21〜25年 | 5,320万円 | 4,122万円 |
築26〜30年 | 3,835万円 | 3,419万円 |
築31〜35年 | 2,455万円 | 2,964万円 |
築36〜40年 | 2,742万円 | 2,791万円 |
築41年〜 | 2,351万円 | 2,105万円 |
出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構|築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2024年)
マンションと一戸建て住宅どちらも、築16年を超えたタイミングと、築26年を超えたタイミングで価格が大きく下落していることがわかります。
築年数が浅い物件ほど、より高値で売却しやすくなります。
とくに築10年以内の物件は需要が高く、有利な条件で売却できるでしょう。
ポイント4:税金
不動産売却で利益が発生した場合、譲渡所得税が課税されます。
国税庁によると、譲渡所得税は下記のように、不動産の所有期間によって税率が異なります。
所得の種類 | 短期譲渡所得 (所有期間5年以下) | 長期譲渡所得 (所有期間5年超) |
所得税 | 30% | 15% |
住民税 | 9% | 5% |
復興特別所得税 | 0.63% | 0.315% |
合計 | 39.63% | 20.315% |
不動産の所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」として約39%の税率が適用され、5年超の場合は「長期譲渡所得」として約20%の税率になります。
つまり、所有期間が5年を超えてから売却することで、税負担を大幅に軽減できます。
さらに、マイホームの売却では3,000万円の特別控除などの特例もあるため、活用できる制度を確認しておきましょう。
ポイント5:金利
住宅ローンの金利動向も、不動産売却のタイミングに影響します。
金利が低い時期は、住宅ローンを組みやすいため買い手が増え、不動産市場が活性化します。
そのため、低金利の時期は売却に適したタイミングといえるでしょう。
一方で、金利が上昇すると住宅ローンの返済負担が増えるため、買い手の購入意欲が低下する傾向があります。
日本銀行の金融政策や住宅ローン金利の推移を注視し、金利が低水準にある時期を狙うことが効果的です。
ポイント6:周辺環境の変化
物件の周辺環境が大きく変化する場合、不動産価格にも直接的な影響を与えます。
たとえば、新しい駅や商業施設の建設、学校や病院などの公共施設の整備が予定されている場合、将来的な価格の上昇が見込まれます。
もしこのようなプラスの変化がある場合は、エリアの不動産需要が高まるため、売却に適したタイミングといえるでしょう。
一方、商業施設の撤退などマイナスの要因がある場合は、早めの売却を検討したほうが良い可能性があります。
自治体の都市計画や再開発情報などをチェックし、周辺環境の変化も注視しておくことが重要です。
不動産売却のタイミングでよくある質問

ここでは、不動産売却のタイミングについてよくある質問を4つ紹介します。
- 相続した不動産を売却するタイミングはいつが良い?
- 離婚による不動産売却のタイミングはいつが良い?
- 不動産売却後に確定申告を行うタイミングはいつ?
- 不動産が売れないときの値下げタイミングは?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
相続した不動産を売却するタイミングはいつが良い?
相続した不動産を売却する場合、相続開始日の翌日から3年10か月以内に売却すれば、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」が適用され、相続税額の一部を譲渡所得の取得費に加算できます。
この特例を活用することで、譲渡所得税の負担を軽減できるでしょう。
また、相続した空き家を売却する場合は、条件を満たせば「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」の適用も検討できます。
ただし、相続人間での協議や相続登記の手続きに時間がかかる場合もあるため、早めに準備を始めることが大切です。
なお、状況によっては他にも特例が使える場合もあるため、詳しくは税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
出典1:国税庁|No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
出典2:国税庁|No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
離婚による不動産売却のタイミングはいつが良い?
不動産売却を離婚前と離婚後のどちらのタイミングが良いかは、夫婦の状況によって異なります。
住宅ローンが残っている場合は、離婚前に売却して完済することで、離婚後の支払いトラブルを避けられるため、一般的には離婚前の売却がおすすめです。
離婚後に不動産を売却する場合、売却活動に専念でき、納得のいく形で売却しやすくなります。
ただし、共有名義の場合は元配偶者の同意が必要になり、離婚後も連絡を取り続けなければなりません。
不動産売却後に確定申告を行うタイミングはいつ?
不動産を売却して利益が出た場合や特例を利用する場合、売却した翌年の2月16日から3月15日までに確定申告を行う必要があります。
たとえば、2025年内に不動産を売却した場合、2026年の2月16日から3月15日の間に確定申告を行うことになります。
申告が遅れると、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課される可能性があるため、期限内に必ず申告しましょう。
また、売却によって損失が出た場合でも、損益通算などの特例を利用できる場合があるため、確定申告を行うことをおすすめします。
不動産が売れないときの値下げタイミングは?
不動産が売れない場合、売り出してから3か月を目安に価格の見直しを検討しましょう。
一般的に、不動産売却の媒介契約の期間は3か月であり、この期間中に購入希望者が現れない場合は、価格設定や販売戦略を見直す必要があります。
値下げ幅は、相場価格との乖離や競合物件の状況によって異なるものの、5〜10%程度が目安とされています。
ただし、安易な値下げは損失につながるため、不動産会社と相談しながら慎重に判断することが重要です。
また、物件資料に掲載している写真や紹介文の改善など、値下げ以外の工夫を先に試すことをおすすめします。
まとめ
不動産売却のタイミングは、主に以下の6つのポイントを見極めることが重要です。
- 不動産市場の動向
- 時期
- 築年数
- 税金
- 金利
- 周辺環境の変化
不動産売却のタイミングを見極めることで、数百万円単位の差が生まれる場合もあります。
不動産売却の最適なタイミングは、物件や所有者の状況によって異なるため、まずは不動産会社に相談してアドバイスを受けることをおすすめします。
この記事で紹介したポイントを参考に、納得のいく形で不動産売却を行いましょう。
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iimon 編集部










