「不動産業でAPIは必要なのだろうか」
「不動産業でAPI導入するメリットはあるのか」
「無料で使えるツールがあれば知りたい」
上記のように悩んでいるのではないでしょうか。
APIは不動産業務の効率化に貢献する強力なツールです。
物件情報の入力作業や更新作業に多くの時間を費やしているのであれば、API導入で改善が期待できるでしょう。
この記事では、おもに以下の内容を解説していきます。
- 不動産業におけるAPIの基本的な仕組み
- API導入で得られる3つのメリット
- 無料で使える不動産API 2選
この記事を読むと、API導入による業務効率化のイメージがつかめ、自社に適したツール選択ができるようになりますよ。
目次
不動産業におけるAPIとは?

そもそもAPIとは「Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」の略称で、簡単にいうと「データの受け渡しを自動化する窓口」といえるでしょう。
不動産業においては、不動産に関するさまざまなデータを自動的に取得したり、システム同士を連携させる仕組みのことです。
たとえば、
- 物件の取引価格
- 地価情報
- 周辺施設のデータ
などを手作業で調べる代わりに、APIを使えばボタン一つで最新情報を取得できます。
従来は不動産会社のスタッフが、国土交通省のサイトや各種データベースにアクセスして、必要な情報を一つひとつコピー&ペーストしていました。
しかしAPIを導入すれば、こうした手間のかかる作業が数秒で完了し、人的ミスも防げるのです。
プログラミングの専門知識がない場合でも、外部の開発会社と連携すれば十分に活用できます。
また後述する国土交通省が提供中の「不動産情報ライブラリ」は、特別な専門知識がなくても導入・利用が可能です。
不動産業でAPIを導入する3つのメリット

不動産業でAPIを導入するメリットとして、おもに以下の3つがあげられます。
- 入力作業にかかる時間削とコスト低減
- 物件情報の正確性向上
- 顧客満足度の向上
順番に見ていきましょう。
メリット1:入力作業にかかる時間削とコスト低減
不動産業にAPIを導入すると、物件管理システムに一度入力するだけで、複数のポータルサイトや自社ホームページへ自動的にデータ反映ができるようになります。
従来は各サイトへ同じ情報を何度も入力する必要があり、時間や手間がかかっていました。
しかしAPI導入によって、負担のかかる入力作業が減らせるため、営業活動や顧客対応といった本来の業務に集中できるようになるのです。
また、入力作業の自動化は人件費の削減にもつながり、限られた人材を効果的に活用できるメリットも。
さらに手作業によるヒューマンエラーのリスクも軽減されるため、誤った情報発信によるクレーム対応の手間も減らせます。
メリット2:物件情報の正確性向上
API連携では物件の価格変更や成約状況がリアルタイムでポータルサイトへ反映されるため、常に最新の情報を顧客へ提供できるメリットもあります。
手動更新だと情報反映までにタイムラグが生じ、すでに成約済みの物件へ問い合わせが入る、といったミスマッチが発生しがちです。
そこでAPIを導入すると、情報の鮮度が保たれて、無駄な問い合わせへの対応が削減できます。
ほかにも、
- 掲載ミス
- 重複登録
- 情報の抜け漏れ
などといったリスクも低減され、データの正確性を高められるでしょう。
メリット3:顧客満足度の向上
最新で正確な物件情報をリアルタイムに提供できれば、顧客からの信頼度も向上します。
問い合わせに対して即座に正確な情報で対応できるようになり、顧客の待ち時間やストレスが解消できるでしょう。
素早く新着物件を掲載できれば、集客のチャンスを逃さず、成約率の向上にもつなげられます。
さらにスタッフの業務負担が軽減されると、時間的・精神的な余裕も生まれるため、大切な顧客への手厚いサービスもできるでしょう。
無料で使える不動産API 2選

不動産業務のデジタル化を進める際、APIを活用すれば効率的なデータ連携ができます。
ここでは無料で利用できる代表的な不動産APIを2つ紹介します。
- 不動産情報ライブラリ|国土交通省
- Vasyworks API|オープンソース
自社のニーズに合わせて選択することで、コストをかけずに業務の効率化が図れるでしょう。
順番に解説していきます。
ツール1:不動産情報ライブラリ|国土交通省
国土交通省が2024年4月に公開した不動産情報ライブラリは、公的データを無料で取得できるサービスです(※1)。
最大の特徴は、利用申請を行えば個人・法人にかかわらず、無償でデータを活用できる点です。
実際に公開から1年で利用申請者数は2,877人に達し、不動産業界だけでなく保険や通信などの業種でも広く活用されています(※2)。
取得できるデータとしては、
- 不動産取引価格情報
- 地価公示
- 都道府県地価調査
- 都市計画情報
- 防災情報
など多様です。
またデータ形式は、JSONやGeoJSONなどで提供されるため、自社システムへの組み込みがスムーズに行えます(※1)。
API利用には専用のサブスクリプションキー(データを取得するための鍵のようなもの)が必要ですが、利用申請ページから氏名やメールアドレスなどを記入して申請すれば発行されます。
不動産情報ライブラリを活用すれば、自社の物件情報サイトに最新の取引相場や地価情報を自動で表示させたり、顧客向けの資料作成が効率化できるでしょう。
不動産情報ライブラリの概要は、こちらの記事でも詳しく解説しています。
https://iimon.co.jp/column/reins-api
(※1)出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」
(※2)出典:国土交通省「報道発表資料」令和7年4月18日
(※3)出典:国土交通省「API操作説明」
ツール2:Vasyworks API|オープンソース
Vasyworks(ベイジーワークス)APIは、賃貸物件の空室情報を管理・公開するためのオープンソースシステムです。
オープンソースとは、プログラムの設計が無料で公開されており、誰でも自由に利用・改造できる仕組みです。
Vasyworks APIを活用すれば、自社サイトに管理する物件情報をリアルタイムで連動表示できます。
さらに登録した物件データを、スーモやホームズといった、大手不動産ポータルサイトへ一括入稿用データに変換するコンバータも提供されているのです。
物件情報を外部サービスに依存せず、自社で保有できるため「ベンダーロックイン(特定のサービスに縛られて抜け出せない状態)」を避けられるメリットも。
また初期投資を抑えたい賃貸管理業者や、自主管理マンションのオーナーに適しているでしょう。
ただし導入には「Python3」「Django」といったサーバが必要となるため、IT人材や外部の専門家が必要となる可能性があります。
不動産業のDX・業務効率化を推進するなら「速いもんシリーズ」

APIのメリットは「入力作業の自動化による時間削減とコスト低減」ですが、導入には専門知識やIT人材の確保といったハードルがあります。
そこで注目したいのが、(株)iimonが提供している「速いもんシリーズ」です。
速いもんシリーズとは、不動産業の業務効率化を推進するツールで、以下10種類で展開されています。
サービス名 | 特徴 |
不動産ポータルサイトへの入力作業を効率化 | |
賃貸物件の新着・更新情報の洗い出しを効率化 | |
ライバル会社の掲載状況を自動分析 | |
物件情報を1クリックでPDF・URL化 | |
賃貸物件情報の元付会社を簡単に特定 | |
売買・賃貸物件の募集状況をまとめて確認 | |
1サイトで複数サイトの物件検索が可能 | |
見積書をワンクリックで瞬時に作成 | |
入力間違い╱他社募集╱条件判定を1クリックで判定 | |
一般媒介物件を自動で抽出しリストを瞬時に作成 |
たとえば「入力速いもん」は、負担がかかる物件登録作業を、簡単に効率化できるツールです。
操作方法としては、
- 業者間流通サイトの物件情報を「1クリック」で保存
- 物件入力画面へ「1クリック」で反映
だけで終わります。
【事例】速いもんシリーズで不動産業務を3倍に効率化!
実際に「速いもんシリーズ」を導入した不動産会社の実例を見ていきましょう。
千代田区を中心に不動産業を営む「株式会社チアエステート」では、業務上で以下のような課題を抱えている状況でした。
- 物件登録作業に時間がかかる
- 物件登録作業に慣れていないスタッフも多く、なおさら時間がかかる
- 思いどおりに仕事が進まない
しかし「入力速いもん」を導入したところ、
- 物件掲載スピード・掲載数が3倍に!
- 新人スタッフでも入力時間短縮!
- 操作法が簡単なので教育コストも削減!
といった成果をあげました。
まとめ
不動産業でAPIを導入すると、
- 物件情報の入力作業削減
- 情報精度向上
- 顧客満足度向上
といったメリットがあります。
無料で利用できるツールとしては、
- 国土交通省の「不動産情報ライブラリ」
- 賃貸特化型の「Vasyworks API」
などがあげられます。
ただしAPI導入には専門知識やIT人材が必要な場合があるため、導入ハードルが高いと感じる企業も少なくありません。
そこで注目したいのが(株)iimonが提供する「速いもんシリーズ」です。
なかでも「入力速いもん」は、専門知識不要で、物件登録作業を簡単に効率化できる便利なツールです。
選択肢 | 特徴 | 適した企業 |
API導入 | 高度な自動化 | IT人材のいる企業 |
入力速いもん | 簡単操作で効率化 | すぐに成果を出したい企業 |
自社の状況に合わせたツールを選択し、業務効率化を進めていきましょう。

iimon 編集部










