「不動産業におけるCRMにはどのようなものがあるのだろう」「自社にも導入すべきなのだろうか」と悩んでいませんか。
そもそもCRMとは「Customer Relationship Management」の略称で「顧客関係管理」もしくは「顧客管理システム」などと呼ばれることも。
情報を保有・管理するだけではなく、顧客とよい関係性をつくるために用いられています。
実際にDXサービスを導入、もしくは導入検討している不動産会社のうち「約30%」がCRM導入に取り組んでいるという調査結果から、注目されていることがわかります(※1)。
そこでこの記事では、
- 不動産業界のCRMにはどのようなものがあるのか
- CRMを導入した事例
- CRM導入前の確認ポイント・選び方
などを解説していきます。
この記事を読むと、CRMを導入すべきか判断できるようになり、自社にあった業務効率化の方法をみつけられますよ。
出典:(※1)PRTIMES|株式会社スペースリー「2022年、不動産DX「推進すべきだと思う」が98.4% 「DXの効果を実感」は70.7%、最も導入を検討されているのは「電子契約システム」」
目次
不動産業におけるCRMとは?

不動産業におけるCRMは、顧客関係管理と呼ばれるシステムで、顧客に関するあらゆる情報をひとつのシステムで集約し、営業活動の効率化を図るためのツールです。
具体的には、顧客の氏名や年齢といった基本情報だけでなく、
- 物件の問い合わせ内容
- 商談の進捗状況
- 来店履歴
など、顧客とのやり取りすべてをデータとして蓄積します。
蓄積されたデータは社内全体でリアルタイムに共有できるものもあるため、担当者が不在でも、ほかのスタッフがスムーズに対応できるようになるのです。
そのため顧客一人ひとりに最適な物件情報を提案したり、追客のタイミングを逃さないよう管理できる便利なシステムといえるでしょう。
不動産CRM導入で得られる4つのメリット

不動産業でCRMを導入するメリットとして、以下の4つがあげられます。
- 顧客情報の一元管理で業務効率を向上
- 追客業務の自動化でビジネスチャンスを逃さない
- データ分析による戦略立案ができる
- 信頼感が高まる
順番に解説していきます。
メリット1:顧客情報の一元管理で業務効率を向上
不動産業界では、
- メール
- 電話
- 自社サイト
- 不動産ポータルサイト
- SNS
など複数の経路から顧客情報が入ってくるため、担当者ごとに顧客情報を管理しがちです。
しかし顧客情報をCRMで一元管理すれば、社内全体でリアルタイムに情報を共有できるようになります。
たとえば、担当者が外出中や休暇で不在のときでも、ほかのスタッフが過去のやり取りや商談の進捗状況をすぐに確認でき、顧客を待たせず質の高い対応ができます。
また顧客の基本情報だけでなく、問い合わせ内容やメール・LINEでのやり取りまで、ひとつのシステムに集約されるため、確認する手間が削減できるでしょう。
メリット2:追客業務の自動化でビジネスチャンスを逃さない
不動産業界では、目の前の優先度が高い顧客対応に追われてしまい、問い合わせがあった顧客へのフォローが後回しになりがちです。
しかし将来的な売上を伸ばすためには、すぐに成約に至らない見込み客への追客も欠かせません。
そこでCRMを導入すると、ポータルサイトや自社サイトからの反響を自動で取り込み、即座にメールで自動追客を開始できるため「今すぐ客」の成約率向上が見込めるのです。
たとえば、顧客の希望条件に合った物件情報を自動で配信するメール機能や、新着物件が出たタイミングでの自動通知機能を活用すれば、手作業ではむずかしかった追客も可能に。
顧客の行動履歴や商談の進捗状況から、適切なタイミングでアプローチできるため、顧客の購買意欲が高まるタイミングを逃しません。
結果として追客にかかる労力が削減され、営業担当者はより重要な商談や提案活動に時間を使えるようになります。
メリット3:データ分析による戦略立案ができる
CRMでは、蓄積された顧客情報や商談履歴を可視化できるものもあるため、データに基づいた戦略立案も可能です。
たとえば、
- どのような物件が成約につながりやすいのか
- どのような提案方法が効果的なのか
といったデータを可視化・分析できるため、成功パターンを見つけ出せるのです。
顧客の属性情報や行動パターンを詳しく分析すると、年齢層や職業、希望エリアごとに異なるニーズも見えてくるため、顧客一人ひとりに合わせた提案ができます。
またチラシやメルマガ配信の効果測定も可能になり、どの施策が反応率や来店率、成約率の向上に貢献したかを数値で把握できます。
メリット4:信頼感が高まる
CRMで顧客情報が一元管理されていると、担当者が不在でも顧客が最初から同じ話を繰り返す必要がなく、安心して相談を進められます。
とくに売買仲介では、顧客が半年〜1年かけて物件を探したり売却する場合もあるため、過去の履歴を保存して担当者間で共有できる体制が重要です(※2)。
情報共有ができていれば「自分の要望をしっかり理解してくれている」と感じてもらえるため、信頼感が高まります。
信頼感が高まると、リピートや付随サービス提供なども期待できるでしょう。
(※2)出典:PRTIMES|株式会社NEXER「株式会社NEXER・相続した不動産の売却期間に関する調査」2024年8月1日
不動産業におけるCRM導入の事例

不動産業で実際にCRMを導入した企業の事例を見ていきましょう。
鳥取県米子市で不動産業を営む「株式会社ウチダレック」では以下のような困りごとがありました。
▼困りごと
- ベテラン社員だけが業務の進め方を知っており、新人に教える習慣がなかった
- 繁忙期には深夜残業が常態化
- 業務が属人化しており、特定の人にしかわからない仕事が多く存在
そこで、以下のようなCRMを導入して解決を試みました。
▼導入したCRMの特徴
- 自社専用のアプリ「カクシンクラウド」を開発
- 来店から申し込み、契約、入居、退去、原状回復という不動産業務の流れをクラウド上で管理できる機能を搭載
- 業務プロセスを標準化し、誰でも同じ品質で仕事ができる仕組みを構築
導入した結果、以下のような成果を得られました。
▼成果
- 1人当たりの営業利益が2.5倍に増加
- 経費削減率は40%に到達
- 離職率が3%に激減し、働きやすい職場に
- 週休3日制の導入にも成功
今回紹介した事例は、CRM導入により業務の属人化を解消し、標準化されたプロセスで誰もが高い成果を出せる環境を整えた事例です。
▼他にもある!不動産業界のCRM事例をもっと詳しく
https://iimon.co.jp/column/real-estate-crm-case-study
出典:日本商工会議所「わが社もできるIT化/身の丈ITで生き残れ! vol.25 株式会社ウチダレック」
不動産業向けCRMの紹介

不動産市場にはさまざまなCRMがあり、特色や機能はそれぞれ異なりますが、どれも顧客との接点を増やし、購買につなげることがメインの目的です。
では実際に、どのようなCRMが存在するのか確認してみましょう。
商品名 | 特徴・メリットの例 |
・お客様を緊急性の高い順に表示 ・類似物件を自動表示 ・ホームズに登録の物件情報をURL化し、ワンクリックでおすすめ物件をメールで紹介 ・業担当者別に「返信率」「来店率」が自動集計・分析 ・メール対応の「スピード」「量」「内容」を強化し来店率を高める | |
・不動産ポータルサイトの反響を取り込みスマホに即通知 ・顧客のお部屋探しの行動を把握できる ・空室状況を自動確認&日程調整メールを自動送信 | |
・ポータルサイトの反響情報をリアルタイムに自動で登録・返信 ・新規反響を即通知しホーム画面に表示して、追客漏れを防止 ・顧客情報の重複候補を自動アラート表示 ・メール・チャット・LINE・SMSなど多様な連絡手段に対応 ・顧客専用マイページで最終オンライン時間を把握し応答率を向上 | |
・メール・LINE・SMSでのやりとりや架電記録、スケジュールを一画面で一元管理 ・顧客ステータスをボード表示で可視化し、歩留まりや対応優先度を把握 ・生成AI連携で返信文ドラフト作成や文面添削を数秒で実行 ・各社のKPIに応じた独自の分析ダッシュボードを構築 |
なお不動産業でCRMを導入する場合は「初期費用」「月額費用」がかかる点は、留意しておきましょう。
不動産業でCRMを導入する2つの基準

不動産業の業務効率化や売上アップに貢献するCRMですが、導入したほうがよい不動産会社は限られています。
一般的にクラウド型CRMの場合、初期費用と月額費用はぞれぞれ「数万円〜数十万円」かかります(※3)。
「自社の営業担当社員数」「取引先数」によって、CRM導入の要否を判断しましょう。(※4)
営業担当社員数 | 取引先数 | CRM導入 |
|---|---|---|
数名 | 数十社 | 不要 (GoogleスプレッドシートやExcelによる管理で足りるケースも) |
20人超 | 営業1人あたり数十社の顧客対応が必要 + 新規顧客獲得にも乗り出している | 必要 |
出典:
(※3)株式会社ジーニー|GENIEE’s library「【2024年最新】CRMの導入費用の相場とは?タイプ別の費用からおすすめ製品まで徹底解説」
(※4)J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト「CRMの導入についてその進め方と注意点などを教えてください。」
不動産業でCRMを選ぶ際の3つのポイント

不動産業でCRMを導入する場合の選び方を見ていきましょう。
選び方のポイントは以下の3点です。
ポイント | 詳細 |
|---|---|
業務の状況把握 | 「営業活動」「顧客情報の管理」など、どの作業に時間や負担がかかっているのか、現状把握してアプローチできるCRMを選ぶ |
わかりやすさ・操作のしやすさ | 逆に業務効率が悪くなる場合があるため事前に確認 |
無料トライアルの有無 | 実際に使うスタッフがお試しで使用することで、業務に有効かを判断できるため |
上記3つのポイントをおさえて、CRM導入を成功させましょう。
不動産ツールで業務効率化するなら「速いもんシリーズ」

「CRMを導入するほどではないけど、業務効率化したい」と考えていませんか。
CRM導入には多くの費用が必要であり、導入に至らないケースもあるでしょう。
そこでおすすめしたいのが(株)iimonが提供している「速いもんシリーズ」です。
速いもんシリーズとは、不動産業の業務効率化を簡単・便利に実現してくれるツールで、機能によって以下10種類に分かれています。
自社に必要なサービスだけを組み合わせて使えるので、コスパがよいのも魅力。
サービス名 | 特徴 |
不動産ポータルサイトへの入力作業を効率化 | |
賃貸物件の新着・更新情報の洗い出しを効率化 | |
ライバル会社の掲載状況を自動分析 | |
物件情報を1クリックでPDF・URL化 | |
賃貸物件情報の元付会社を簡単に特定 | |
売買・賃貸物件の募集状況をまとめて確認 | |
1サイトで複数サイトの物件検索が可能 | |
見積書をワンクリックで瞬時に作成 | |
入力間違い╱他社募集╱条件判定を1クリックで判定 | |
一般媒介物件を自動で抽出しリストを瞬時に作成 |
なかでも「入力速いもん」は、誰でも簡単に業務効率化できる便利なツールです。
具体的には、以下のように「2クリック」で物件情報入力作業が完了します。
- 業者間流通サイトの物件情報を「1クリック」で保存
- 物件入力画面へ「1クリック」で反映
動画では、さらにわかりやすく入力速いもんの魅力がわかるため、チェックしてみてくださいね。
【事例】「入力速いもん」導入で入力作業時間は半分に!
実際に、入力速いもんを導入した企業の事例を見ていきましょう。
「桜総合管理株式会社 ハウスメイトネットワーク高幡不動店」は、入力速いもん導入前に以下のような課題を抱えていました。
- 物件情報入力作業に手間と労力がかかっていた
- 入力作業が重荷になって他業務の妨げに
- 新人が入力した内容チェックに時間がかかっていた
しかし、入力速いもんを導入したところ、以下のような効果を実感されています。
- 物件情報入力時間が半減し、ほかの業務に時間を費やせるようになった!
- 掲載枠数を上限まで使えるようになった!
- 新人の入力内容チェックが、数か所で済むように!
入力時間を短縮できたことで、掲載枠を増やして反響数を上げるための体制づくりができるようになったため、導入してよかったとのお声をいただきました。
まとめ
不動産業でCRMを導入すると「業務効率化」「売上アップ」が期待でき、顧客満足度も上げられるでしょう。
しかし、すべての不動産会社が導入することが正解ではなく、費用対効果の観点から「営業担当社員数」「取引先数」などの自社状況の考慮が必要です。
考慮した結果、自社へCRMを導入する運びとなった場合、以下のポイントをおさえておきましょう。
ポイント | 詳細 |
業務の状況把握 | 「営業活動」「顧客情報の管理」など、どの作業に時間や負担がかかっているのか、現状把握してアプローチできるCRMを選ぶ |
わかりやすさ・操作のしやすさ | 逆に業務効率が悪くなる場合があるため事前に確認 |
無料トライアルの有無 | 実際に使うスタッフがお試しで使用することで、業務に有効かを判断できるため |
一方CRMの導入は不要だけれど、業務効率化したいという人は(株)iimonが提供している「速いもんシリーズ」を検討しましょう。
無料トライアルも実施しているため、導入後の失敗がありません。
速いもんシリーズを導入すれば、業務効率化はもちろん、売上アップも期待できますよ。

iimon 編集部










