「不動産業の廃業率は高いのだろうか」
「独立開業したいが、失敗しないためにできる事前準備を知りたい」
このように悩んでいる人もいるのではないでしょうか?
不動産業の廃業率は決して高いわけではありません。
しかし、会社員時代の実績に頼ってしまい失敗したり、運転資金が足りなくなったりして廃業する人もいます。
開業後に安定した経営を行うためにも、資金面の準備や心構え、集客テクニックなどを、開業前からしっかり準備しておくことが大切です。
そこで本記事では、以下の内容を詳しく解説します。
- 不動産業の廃業率
- 不動産業を廃業する3つの理由
- 不動産業を廃業しないための6つの対策
廃業しないための6つの対策は、これから不動産開業する方にぜひ取り入れてもらいたい内容です。
記事後半では、不動産業務の生産性アップや顧客満足度の向上につながる方法も紹介しているので、最後まで読み進めてみてください。
目次
不動産会社の廃業率はおよそ3%
国土交通省が公表しているデータによると、2022(令和4)年度の宅地建物取引業者数の廃業処理件数は3,985件です。(※1)
一方、同年の宅建免許業者数は12万9,604件。(※2)
廃業処理件数を業者数で割ると、2022年度における廃業率はおよそ3%と算出できます。
つまり、不動産会社が100件あると3件は廃業していることになります。
ただし、新規開業した不動産会社の3%が毎年廃業しているわけではありません。
不動産会社のなかには、年配の方が経営する地場の店舗や会社も多くあります。
年齢の問題や継ぐ人がいないことから、継続が困難になり、廃業するケースは少なくありません。
以下の記事では、不動産業で起業する際の成功率を紹介しているので、ぜひ合わせて読んでみてください。
https://iimon.co.jp/column/real-estate-starting-a-business-success-rate
参考
(※1):国土交通省「宅地建物取引業に係る免許申請等の処理件数(免許種類別/過去20年間)」
(※2):国土交通省「宅地建物取引業者数の推移 (免許種類別・組織別/過去20年間)」
不動産業を廃業する3つの理由
不動産業を廃業する理由には、以下の3つが挙げられます。
- 経営資金が不足する
- 集客がうまくいかない
- サラリーマン時代の実績に頼ってしまう
それぞれ詳しく解説します。
経営資金が不足する
不動産業を始める際は、初期投資や運転資金など多額のお金が必要です。
運転資金の見積もりが甘いと、たとえ開業できても、途中でお金が足りなくなってしまうのです。
たとえば、不動産会社の経営では、以下のような費用がかかります。
- 事務所の家賃や光熱費
- 従業員の給料
- 広告費
- 物件を仕入れる費用 など
これらの運転資金と初期費用、予備費用を考慮すると、最低でも約400万円は必要だと考えられます。
ただし、全日不動産協会に入会していない場合は、営業保証金の支払いがあるので、1,000万円以上の費用が必要です。
資金繰りが悪化すると、金融機関からの融資も受けにくくなり、事業の継続が厳しくなります。
経営者の個人資産を投入しても改善が見込めない場合、廃業を検討せざるを得ない状況に陥ることもあるのです。
不動産会社を開業する際に必要な資金は、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
https://iimon.co.jp/column/real-estate-opening-business-funds
集客がうまくいかない
開業したばかりで知名度が低い時期は、お客様が集まらず、競合他社に負けることも少なくありません。
集客手段として欠かせないのがスーモ・ホームズといった「不動産ポータルサイト」ですが、必要経費をおさえるために、掲載料の安い不動産ポータルサイトやプランを利用する業者もいます。
資金繰りを考慮して必要経費をおさえることは大切ですが、集客に失敗してしまうと本末転倒です。
集客の要である不動産ポータルサイトを利用料金の安さで選んでしまうと、結果的に問い合わせにつながらず集客に失敗する可能性が高くなります。
集客がうまくできないと、広告宣伝費を無駄に使うことになり、手元資金が底をついてしまうこともあるでしょう。
集客に失敗しないため不動産ポータルサイトと選び方やおすすめについては、下記の記事も参考にしてください。
https://iimon.co.jp/column/real-estate-portal-site-recommendation
サラリーマン時代の実績に頼ってしまう
サラリーマン時代に営業で好成績を残していた人でも、独立後にうまくいかないケースは珍しくありません。
サラリーマンであれば、会社の実績や看板、ブランドをそのまま使えますし、知名度の高い会社であれば集客に苦戦しないでしょう。
しかし、独立後は、自社・自分の名前で顧客を獲得する必要があるため、信頼と実績がゼロの状態からはじめなければなりません。
過去の実績に頼るあまり、現状分析や将来戦略の立案がおろそかになると、廃業への道を歩むことになりかねないのです。
不動産業において廃業しないための6つの対策
不動産業を立ち上げた際に廃業しないための対策は、以下の6つです。
- 開業前に十分な市場調査を行う
- 資金繰りの計画を立てる
- 集客やマーケティングを学んでおく
- 人脈を作っておく
- フランチャイズ加盟を検討する
- 業務を効率化できるツールを導入する
それぞれ詳しく解説します。
対策1.開業前に十分な市場調査を行う
不動産業で独立する際は、綿密な市場調査と競合他社分析を行い、戦略を立てることが大切です。
不動産業界は競合他社が多いため、いかに差別化するかが成功の鍵になります。
差別化において大切なのが、開業するエリアの市場調査と競合他社の分析です。
たとえば、競合が取り扱う物件の種類やサービス内容、集客方法、広告の打ち出し方などを調査することで競合他社の強みと弱みがわかります。
他社の特徴を把握することで、自社の差別化ポイントもわかりますし、顧客へのアプローチ方法も明確になります。
ターゲットを絞ることで自社の強みが具体化し、顧客に対しても魅力が伝わりやすくなるのです。
対策2.資金繰りの計画を立てる
開業時の費用だけでなく、当面の運営資金の確保と長期的な資金計画の作成が大切です。
運営資金を確保するためには、以下のような、毎月の必要コストを具体的に把握しましょう。
- 融資の返済額
- 広告宣伝費
- 人件費
- 事務所の維持費 など
これらの費用に加えて、経営が軌道に乗るまでにかかる時間も考慮して余裕を持った資金の確保が必要です。
キャッシュフロー管理を徹底し、適切な財務管理を目指すことで、安定した経営基盤を築けるでしょう。
対策3.集客やマーケティングを学んでおく
不動産業界で成功するには、効果的な集客戦略が必要です。
開業当初は、知名度と信頼度が低いため、積極的にアクションを起こさなければ集客に結びつきません。
主な集客方法には、
- ホームページの作成
- SNS運用
- チラシのポスティング
- 広告掲載
- 飛び込み営業
などが挙げられます。
開業時は一人でやるべきことも多いため、なるべく開業前から集客やマーケティングを学びつつ、ホームページ作成やSNS運用を開始してみましょう。
不動産ポータルサイトを活用して集客を増やす方法は以下の記事で解説しています。
https://iimon.co.jp/column/increase_real_estate_feedback
対策4.人脈を作っておく
独立開業する場合には、不動産業界に限らず、さまざまな業界の人との人脈を作っておくことが重要です。
認知度が低い時期でも、人脈が広ければ顧客を紹介してもらえたり、仕事の付き合いができたりする可能性があります。
また、不動産は地域住民とのつながりも大切ですので、商工会や地域の集まりなどへの参加もおすすめです。
多様な人脈を活用することで、ビジネスチャンスの拡大や問題解決の糸口の発見になるでしょう。
対策5.フランチャイズ加盟を検討する
独立開業のリスクを軽減する方法として、フランチャイズへの加盟があります。
フランチャイズでは、知名度のある不動産会社の企業名を借りられるため、信用を得やすいメリットがあります。
また、加盟先によっては経営術や顧客対応のノウハウを共有してもらえるので、経営をしながらも実践的なノウハウを学ぶことが可能です。
一方で、デメリットとして、加盟先へのロイヤリティの支払いや開業可能エリアを限定しているケースが挙げられます。
自社の理念や目標と合致するフランチャイズがあれば、契約を検討してみましょう。
フランチャイズに加盟するメリットとデメリットは、以下の記事でも詳しく解説しています。
https://iimon.co.jp/column/real-estate-franchise
対策6.業務を効率化できるツールを導入する
不動産業務の効率化は、生産性向上と顧客満足度アップにつながり、廃業を防ぐ手段として有効です。
開業直後は、人手不足からやるべきことに手がつけられない問題が発生する可能性があり、業務を効率化することで、集客や売上アップに貢献できます。
業務効率化ツールであれば、人手不足を補いながらも、業務の生産性を向上させられます。
また、人手が足りず手がつけられなかった作業も進められるため、新たな顧客創出や売上拡大が期待できるでしょう。
最新技術を採り入れることで、競争力の維持と向上が図れるはずです。
不動産の業務効率化ツールのおすすめは、以下の記事で紹介しているので、参考にしてみてくだい。
https://iimon.co.jp/column/real-estate-Operational-Efficiency
不動産開業を成功させるなら!業務効率化ツール「速いもんシリーズ」
不動産開業するのであれば、集客や営業活動をする上で膨大な事務作業があることを忘れてはいけません。
不動産ポータルサイトを活用するのにも、時間をかけて物件情報を入力しなければなりませんし、更新作業も必要です。
しかし事務作業にばかり時間を使っていると、営業活動が疎かになるリスクもあります。
そこでおすすめするのが、(株)iimonが提供している業務効率化ツール「速いもんシリーズ」の活用です。
速いもんシリーズとは、不動産業の業務効率化を簡単・便利に推進してくれるツールで、機能によって以下8種類に分けられます。
サービス名 | 特徴 |
不動産ポータルサイトへの入力作業を効率化 | |
新着物件の確認が効率化できる | |
ライバル会社の掲載状況を自動分析 | |
物件情報を1クリックでPDF・URL化 | |
賃貸物件情報の元付会社を簡単に特定 | |
賃貸物件の募集状況をまとめて確認 | |
1サイトで複数サイトの物件検索が可能 | |
見積書をワンクリックで瞬時に作成 |
必要な機能だけを自由に組み合わせられるため、コスパがよいのも魅力です。
なかでも「入力速いもん」は、業務効率化を進めるために役立つツールだといえるでしょう。
物件の入力作業を効率化できる「入力速いもん」
ホームページや不動産ポータルサイトへ物件情報を1件ずつ打ち込んでいく作業は時間がかかり、面倒だと感じている人は多いのではないでしょうか。
入力速いもんは、業者間流通サイトの物件詳細ページの情報を「2クリック」で反映できるツールです。
具体的には、
- 業者間流通サイトの情報を「1クリック」で保存
- 物件入力画面で「1クリック」で入力
といった操作で、簡単に物件情報を掲載できます。
物件入力以外にも、
- 複製したデータの部分変更
- 登録したい画像を取得
- 入力済の物件確認
が「1クリック」で実現できるため、作業時間の大幅な削減が期待できます。
詳しくは、下記動画もチェックしてみてください。
【導入事例】入力業務は3倍・追客業務は2倍に効率アップ!開業時の後押しに
ここからは「入力速いもん」「変換速いもん」を導入した企業の実例を見ていきましょう。
不動産の賃貸仲介業や管理業を営む「株式会社チアエステート」は、開業後まもなく、以下の課題を抱えていました。
- 入力作業に時間がかかり思いどおりに業務が進まない
- 入力業務に不慣れなスタッフも多く、余計に時間がかかっていた
しかし「入力速いもん」の導入によって、
- 作業スピードや物件の掲載数が3倍にアップ
- 一度のレクチャーで理解できるため、サービスの定着率が高い
導入により、開業後間もない時期でも作業効率が上がり、掲載数を上げることに成功しています。
まとめ
2022年度の廃業処理件数と宅建免許業者数から、不動産業の廃業率はおよそ3%と算出されます。
ただし、個人経営を行っている高齢の経営者が会社を畳むケースも少なくないため、新規参入の事業者が毎年廃業しているわけではありません。
しかし、資金繰りを疎かにしたり会社員時代の実績を頼ったりして、経営がうまくいかず廃業するケースも考えられるので油断は禁物です。
廃業を防ぐためには、本記事で紹介した以下の6つの対策を参考にしてみてください。
- 開業前に十分な市場調査を行う
- 資金繰りの計画を立てる
- 集客やマーケティングを学んでおく
- 人脈を作っておく
- フランチャイズ加盟を検討する
- 業務を効率化できるツールを導入する
開業後には営業に専念する必要があるため、なるべく開業前に資金計画や市場調査、マーケティング対策などを行うことをおすすめします。
また、業務効率化を行い集客を加速させたい場合は、(株)iimonが提供している「速いもんシリーズ」の導入を検討しましょう。
iimon 編集部