「レインズの更新期限は正確にいつなのだろう?」
「媒介契約の種類によって登録タイミングが違うと聞いたことがある」
「更新ミスをして違反になったらどうしよう」
上記のように悩んでいるのではないでしょうか。
物件情報の登録や更新は不動産取引の透明性を確保するために欠かせない業務ですが、期限やルールを守らないと行政処分のリスクもあるため、正確な知識が必要です。
レインズの適切な更新には、ガイドラインが設けられており、明確なルールが存在します。
そこでこの記事では、おもに以下の内容を解説していきます。
- レインズ更新のタイミングと92日ルール
- 媒介契約の種類によって異なる登録期限
- 違反になりやすい更新ミス3つの例
- レインズの更新トラブルを回避する方法
この記事を読むと、レインズの適切な管理ができるようになりますよ。
目次
レインズ更新のタイミングは92日以内

レインズ(不動産流通標準情報システム)における物件情報の更新タイミングは、不動産業務を適切に行ううえで重要な要素です。
全国の物件情報は一律で、登録から92日間(約3か月)が表示期限となります(※1)。
この期限を過ぎると物件情報は自動的に削除されるため、継続して販売・賃貸募集を行う場合は、92日以内に更新手続きが必要です。
更新を行うと、更新日から新たに92日間の登録期間が設定されます。
物件情報の「変更」と「更新」は異なる機能であり、「変更」を行っても登録期間は延長されない点には注意が必要です。
(※1)出典:国土交通大臣指定 公益社団法人中部圏不動産流通機構「中部れいんず」第 98号 令和3年10月10日
媒介契約の種類によっても異なるレインズの更新タイミング
媒介契約のタイプによって初回登録のタイミングも異なり、以下のとおりに義務付けられています。
媒介の種類 | 登録期限 |
専属専任媒介契約 | 契約締結日の翌日から5営業日以内(※2) |
専任媒介契約 | 契約締結日の翌日から7営業日以内(※2) |
一般媒介契約 | 登録義務はないが、より多くの購入希望者に物件情報を届けるために登録が推奨 |
更新の際は依頼者(売主・貸主)からの申し出に基づいて媒介契約の更新を書面で行ったうえで、レインズの更新も行う必要があるため「自動更新」は認められていません。
登録期間の延長が必要ないのに物件の更新をすることは禁止されており、この点は2025年の最新ガイドラインでも強調されています(※3)。
適切な更新タイミングを守って、レインズを正しく利用しましょう。
(※2)出典:東京都庁 住宅政策本部民間住宅部不動産業課「宅地建物取引業者に対する行政処分について」2024年3月6日
(※3)出典:公益社団法人西日本不動産流通機構「レインズ利用ガイドラインの一部改訂のお知らせ 」2024年12月13日
レインズの違反になりやすい更新ミスの例3選

レインズの利用にはルールがあり、違反すると行政処分の対象となる可能性があります。
ここでは、レインズの違反になりやすい以下3つの例を紹介していきます。
- 同一物件の登録・削除の繰り返し
- むやみに「更新」操作を行う行為
- 依頼者の申し出なしでの媒介契約更新
順番にくわしく見ていきましょう。
例1:同一物件の登録・削除の繰り返し
レインズでは、新着物件として表示されることを目的にした「同じ物件の登録と削除の繰り返し行為」は違反です。
たとえば、古い登録物件を一度削除して再登録すれば、検索結果の上位に表示される「新規物件」として扱われるため、多くの不動産会社の目に留まりやすくなります。
しかし、この行為は「レインズ利用規程第5条第5項」に違反する不正操作とみなされます(※4)。
とくに繁忙期など新規物件が次々と登録されていくため、自社物件の露出を高めたいと考える人もいますが禁止行為です。
不正行為が発覚した場合、レインズの利用制限や行政処分などのペナルティが課される可能性があるだけでなく、業界内での信頼も失うでしょう。
正当な理由なく情報操作をするのではなく、魅力的な写真や詳細な物件情報を提供するなど、適切な方法で物件の訴求力を高める工夫が大切です。
(※4)出典:公益社団法人中部圏不動産流通機構「レインズ利用ガイドライ ン」令和7年1月1日改正版
例2:むやみに「更新」操作を行う行為
レインズの「更新」機能は、登録期間を延長するためのものであり、媒介契約の更新や登録期間満了の場合にのみ使用すべきものです。
しかし物件を新しく見せかけるために、正当な理由なく更新ボタンを押してしまうケースも。
変更や更新を何度も繰り返す行為も、レインズ利用規程違反となります。
物件情報の変更(価格変更や写真追加など)を行う場合は「変更」機能を使用し、「更新」機能は登録期間の延長が必要な場合にのみ使用する、という区別を理解しておきましょう。
売主や貸主の利益を最優先に考え、正確な情報提供と適切なシステム利用を心がけることが、信頼される不動産会社としての基本姿勢といえるでしょう。
例3:依頼者の申し出なしでの媒介契約更新
媒介契約の更新は、かならず依頼者(売主・貸主)からの申し出に基づき、書面によって行う必要があります。
「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」では、「更新の申出は、有効期間満了の都度行われるべきもので、あらかじめ更新することを約定することはできない」と明確に規定されています(※5)。
つまり「自動更新」のような形で、依頼者の意思確認なしに媒介契約を更新することは許されていないのです。
依頼者からの申し出を受けて書面による媒介契約の更新手続きを行ったあとに、初めてレインズの更新も行うという順序を守らなければなりません。
万が一、依頼者の意向確認なしに勝手に更新を行った場合、契約違反として売主から契約解除される可能性もあります。
信頼関係を維持するためにも、媒介契約の期限管理を徹底し、期限が近づいたら依頼者に連絡して意向を確認する習慣をつけましょう。
また更新の意思がある場合は、かならず書面による手続きを経てから、レインズの更新も適切に行うよう心がけることが大切です。
(※5)出典:国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」
もう更新ミスなし!物件確認の自動化でトラブルを回避

前述したようにレインズの更新を怠ったり、目的にそぐわない更新を行うと違反になり、最悪の場合は業務停止処分を受ける場合も。
またレインズの違反になるリスクがあるだけでなく、販売終了や価格変更された物件を誤って掲載しつづけて顧客とのトラブルに発展するケースもあります。
こうした問題を解決するのが(株)iimonが提供している「売買版物確速いもん」です。

売買版物確速いもんを活用すれば、
- 1クリックで物件の最新情報を自動照合
- 金額変更や販売状況をすばやく確認
できます。
また業者間流通サイトやポータルサイトの情報と自動照合が可能で、物件ごとでも一括出力も可能なため、時間のかかる物件確認作業を効率化できるのです。
顧客からの信用を守りながらレインズの規約違反を回避できる、売買仲介業を行ううえで欠かせないツールだといえるでしょう。
また速いもんシリーズには物確速いもん以外にも、業者間流通サイトの情報を1クリックでCSV化できる「入力速いもん」があります。
レインズ物件データのCSV化については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
https://iimon.co.jp/column/reins-csv
まとめ
レインズ登録・更新は不動産取引の透明性確保と消費者保護のため法的に義務付けられており、適切な運用が不可欠です。
物件情報は登録から92日間が表示期限であり、この期間内に更新手続きを行わなければ自動的に削除されます。
不動産会社が注意すべきおもなポイントは、以下のとおりです。
- 媒介契約の種類によって初回登録期限が異なる(専属専任5営業日以内、専任7営業日以内)
- 「変更」操作では登録期間は延長されない
- 依頼者からの申し出と書面による媒介契約更新が必須
また違反しやすい更新ミスは、以下のとおり。
- 同一物件の登録・削除の繰り返し
- むやみな「更新」操作
- 依頼者の申し出なしでの媒介契約更新
上記のような違反は、行政処分の対象となる可能性があります。
業務効率化ツール「売買版物確速いもん」などを活用して、物件情報の自動照合を行い、レインズ管理を適切に行いましょう。

iimon 編集部