不動産の仲介業務は多岐にわたり、顧客との初回面談から引き渡しまでさまざまな業務があります。
なお、賃貸と売買では業務の内容や流れが異なるため、それぞれのフローを適切に理解しておくことが重要です。
この記事では、主に以下の内容を解説していきます。
- 賃貸物件の仲介業務フロー
- 売買物件の仲介業務フロー
- 競合に差をつける不動産仲介会社の強み
- 不動産の仲介業務をスムーズに進めるポイント
- 不動産業務効率化のITツール「速いもんシリーズ」について
この記事を読むことで、不動産の仲介業務の全体像が把握でき、業務を効率化する方法がわかるようになります。
なお、不動産業で独立開業を検討している方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
https://iimon.co.jp/column/real-estate-independent
目次
【賃貸】不動産の仲介業務フロー

賃貸物件の仲介業務フローは、主に以下の4つのステップで構成されています。
- 集客活動
- 希望条件のヒアリング
- 物件の紹介・内見対応
- 入居手続き
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 集客活動
賃貸の仲介業務において重要なのが、集客活動です。
集客方法は、主に以下のようなものがあります。
- 不動産ポータルサイトへの物件掲載
- 自社ホームページやSNSでの情報発信
- チラシやDMの配布
- 看板や広告の設置
とくに近年は、オンラインでの集客が重要性を増しています。
物件情報を詳細かつ正確に掲載し、写真や動画などの視覚的な情報を充実させると顧客の興味を引き、来店につながりやすくなります。
また、口コミや紹介による集客も重要です。
質の高いサービスを提供し、顧客に満足してもらえれば、知人や友人を紹介してもらえる可能性が高くなります。
2. 希望条件のヒアリング
顧客が来店したら、次は希望条件のヒアリングを行います。
ヒアリングでは、以下のような項目を詳しく聞き取ります。
- 予算(家賃・初期費用)
- 希望エリア
- 間取り・広さ
- 最寄り駅からの距離
- 入居希望時期
- 入居人数
- こだわりの条件
単に条件を聞くだけでなく、顧客のライフスタイルや価値観も理解することが重要です。
予算や希望条件が難しい場合は、現実的な選択肢を提示し、優先順位を整理させることも業務の1つです。
3. 物件の紹介・内見対応
希望条件が明確になったら、顧客の条件に合う物件を紹介し、内見の対応を行います。
物件紹介では、ポータルサイトや不動産会社のネットワークを活用して、顧客の希望に合った物件をリストアップしていきます。
物件を伝える際は、周辺環境や生活の利便性なども伝えることで、顧客の信頼を得られるでしょう。
顧客が納得して物件を選べるように、質問に対しては正確に回答し、自主的な判断をサポートする姿勢が大切です。
4. 入居手続き
物件が決まったら、入居手続きへと進みます。
入居手続きには、以下のようなステップがあります。
- 入居申込書の記入と審査
- 重要事項の説明
- 初期費用の支払い・賃貸借契約の締結
- 鍵の引き渡し
申込書の記入後は、オーナーや管理会社による入居審査があります。
入居審査では、収入や勤務先などが確認され、主に家賃を支払う能力があるかどうかを判断されます。
入居審査に通過したら、宅地建物取引士が重要事項説明を行い、その後賃貸借契約を締結するという流れです。
初期費用の支払いや書類手続きが完了したら、鍵を引き渡します。
入居後のトラブルを防ぐため、契約内容や物件の使用上の注意点などは、丁寧に説明することが重要です。
【売買】不動産の仲介業務フロー

売買物件の仲介業務フローは、以下の内容で分かれています。
- 元付業務
- 客付業務
- 契約業務
それぞれ詳しく見ていきましょう。
元付業務
元付業務とは、売主から物件の売却を依頼された場合に行う業務のことです。
元付業務のフローは以下のとおりです。
- 物件の査定
- 媒介契約の締結
- 売却活動・内見の立ち会い
元付業務の場合、まずは物件の特徴や周辺の取引事例などを参考に、物件価格の査定を行います。
売主と協議し、物件価格が決まれば媒介契約を締結し、物件資料の作成を行ったあとに売却活動を進めます。
具体的には、ポータルサイトやホームページに物件情報を掲載したり、チラシを配布するなどです。
購入希望者が現れた場合、内見の立ち会いも行います。
客付業務
客付業務とは、買主の希望条件に合う物件を探し、紹介する業務のことです。
客付業務のフローは以下のとおりです。
- 希望条件のヒアリング
- 物件情報の収集・提案
- 内見の調整・立ち会い
まずは、買主が求めている物件の条件をヒアリングします。
そして、条件に合う物件を探し、提案を行います。
買主が気になった物件があれば、内見の調整・立ち会いを行い、購入の意思を確認するのが主な流れです。
契約業務
契約業務とは、売買契約の締結から決済・引き渡しまでの業務のことです。
契約業務の主なフローは以下のとおりです。
- 条件交渉
- 売買契約書の作成
- 重要事項説明
- 売買契約の締結
- 決済・引き渡し
買主が購入を申し込んだ際、条件の交渉があれば調整が必要です。
売主・買主双方の合意がとれたら、売買契約に向けた準備を進めます。
重要事項説明では、買主に物件の詳細情報や契約内容を説明し、問題なければ売買契約書を締結します。
売買契約が締結したら、買主の住宅ローン手続きや売主の引っ越しなどのサポートを行い、決済・引き渡しを終えれば完了です。
競合に差をつける不動産仲介会社の強み3選

競合に差をつける不動産仲介会社になるには、以下のような強みを磨くことが大切です。
- 顧客一人ひとりに寄り添う丁寧なヒアリング力
- 地域密着型の豊富な物件情報と市場知識
- アフターフォローまで続く長期的な関係構築
それぞれ詳しく解説します。
顧客一人ひとりに寄り添う丁寧なヒアリング力
優れた仲介会社は、顧客の表面的な要望だけでなく、潜在的なニーズまで的確に把握しようとします。
単に「3LDK、駅徒歩10分以内」といった条件を聞くだけでなく、
- なぜその条件が必要なのか
- どのようなライフスタイルを送りたいのか
まで深く掘り下げて理解することが重要です。
たとえば、子育て世代の方が駅近を希望する場合、通勤の利便性だけでなく、子どもの安全な通学路や近隣の教育環境、公園や医療機関の充実度など、総合的な住環境を考慮した提案が必要です。
また、予算に制約がある場合は顧客の優先順位を整理し、
- 譲れない条件
- 妥協できる条件
を明確に分けることで、最適な選択肢を提示できます。
このような丁寧なヒアリングにより、顧客は「この会社は本当に自分のことを理解してくれる」と感じ、信頼関係が生まれやすくなります。
一方で、契約することだけを考えてしまうと、どうしても顧客の表面的なニーズでの提案をしがちです。
結果的に顧客の望まない提案ばかりになり、信頼を失う可能性が高まります。
丁寧にヒアリングして、顧客の理想や将来的なライフスタイルまでを考慮して提案することで、無駄な内見を減らし、成約率向上につながるだけでなく、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
地域密着型の豊富な物件情報と市場知識
地域に根ざした仲介会社の強みは、その地域の「生きた情報」を豊富にもっていることです。
単に物件の基本情報を把握するだけでなく、
- 周辺環境の変化
- 地域の将来性
- 住民の特性
- 隠れた魅力スポット
など、大手チェーンでは得られない詳細な情報を提供できます。
たとえば
「来年新しい商業施設がオープン予定」
「この地域は夜間の治安がよく、女性の一人暮らしも安心」
「近所の〇〇小学校は評判がよく、転校を考える家庭が多い」
といった情報は、顧客の判断材料につながるでしょう。
また、地域の不動産相場の推移を肌感覚で理解しているため、適正価格での売買をサポートでき、顧客に損をさせない提案が可能です。
地域の大家さんや管理会社との信頼関係により、他社では紹介できない優良物件の情報をいち早く入手できることも大きなアドバンテージとなります。
このような地域密着型の強みを活かすことで、顧客に対してより価値の高いサービスを提供できます。
アフターフォローまで続く長期的な関係構築
優良な仲介会社は、契約締結をゴールとせず、その後の長期的な関係構築を重視します。
入居後や購入後に発生するさまざまな問題に対して、迅速かつ親身に対応することで、顧客との信頼関係を深め、将来的な再利用や紹介につなげています。
たとえば、以下のような不動産に関わるさまざまな悩みに対するサポートを提供していることが多いです。
- 入居後の設備トラブルや近隣問題の相談
- 住宅ローンの見直しアドバイス
- 税務相談の紹介
- 将来的な住み替えの相談 など
また、定期的な連絡や季節の挨拶を通じて関係を維持し、顧客のライフステージの変化にあわせた提案を行います。
このようなアフターフォローの充実により、顧客は「何かあったときに相談できる信頼できるパートナー」として仲介会社を認識するようになるでしょう。
結果として、顧客のリピート率が向上し、口コミや紹介による新規顧客獲得にもつながります。
長期的な視点で顧客との関係を築くことは、安定した事業運営の基盤となり、競合他社との明確な差別化要因となります。
不動産の仲介業務をスムーズに進める3つのポイント

不動産の仲介業務をスムーズに進めるには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 希望条件を細かくヒアリングする
- 物件管理を行う
- ITツールを導入する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 希望条件を細かくヒアリングする
前章でも解説しましたが、仲介業務において、顧客への丁寧なヒアリングは欠かせません。
ヒアリングの主なポイントは、以下が挙げられます。
- 希望条件の優先順位も確認する
- 引っ越しの理由を把握する
- 顧客主体の会話から本音を引き出す
また、顧客が明確に言語化できていない潜在的なニーズを引き出すことも大切です。
たとえば、「日当たりがよい物件」を希望する場合、「部屋が明るいこと」が重要なのか、「洗濯物を干すスペースが日当たりのよい場所にあること」が重要なのかによって、提案する物件は異なります。
希望条件を細かくヒアリングし、顧客のニーズを正確に把握することで、不要な内見を減らし、成約へとスムーズにつなげられます。
2. 物件管理を行う
不動産仲介だけでなく物件管理を行うことで、管理物件の仲介業務がよりスムーズに進められます。
管理物件は自社で内見の日程調整ができるため、顧客の希望にあわせた柔軟な対応が可能です。
また、物件の特徴や注意点も詳しく把握しているため、顧客に対してより具体的な説明ができます。
もし、オーナーが将来的に物件の売却を検討する際も、管理会社として日頃から関わっていれば、売却の仲介(元付業務)を任せてもらいやすくなるでしょう。
▼物件管理の業務やポイントについて詳しい記事はこちら
https://iimon.co.jp/column/property-management
3. ITツールを導入する
不動産の仲介業務は多岐にわたるため、ITツールを導入して業務効率化を図ることが重要です。
ITツールを導入するメリットは、以下が挙げられます。
- 物件情報の入力・更新にかかる作業時間を短縮できる
- 顧客情報を一元管理できる
- 顧客満足度を高められる
業務効率化によって捻出された時間を顧客対応に充てることで、サービスの質を高め、顧客満足度の向上につなげられます。
また、人為的なミスを減らし、より正確な業務を遂行できます。
とくに、従業員が少ない中小規模の不動産会社においては、ITツール導入による業務効率化は、不動産業界を生き残るうえで重要なポイントだといえるでしょう。
次章では、不動産業務の効率化に特化した(株)iimonの「速いもんシリーズ」について詳しく紹介していきます。
不動産の仲介業務をスムーズに進めるには「速いもんシリーズ」がおすすめ

不動産の仲介業務を効率的に進めるには、業務効率化ツールの導入が効果的です。
(株)iimonが提供する「速いもんシリーズ」は、不動産業務の効率化に特化したサービスで、多くの不動産会社で導入されています。
「速いもんシリーズ」は、以下の9つのサービスで構成されています。
サービス名 | 特徴 |
不動産ポータルサイトへの入力作業を効率化 | |
賃貸物件の新着・更新情報の洗い出しを効率化 | |
ライバル会社の掲載状況を自動分析 | |
物件情報を1クリックでPDF・URL化 | |
賃貸物件情報の元付会社を簡単に特定 | |
売買・賃貸物件の募集状況をまとめて確認 | |
1サイトで複数サイトの物件検索が可能 | |
見積書をワンクリックで瞬時に作成 | |
入力間違い╱他社募集╱条件判定を1クリックで判定 |
たとえば、「入力速いもん」を使えば、不動産ポータルサイトへの物件情報の入力作業が、わずか2クリックで完了します。
速いもんシリーズは、必要なサービスのみを選んで導入することが可能です。
また、不動産会社を新規開業する方には、最短即日導入できる「不動産開業パック」がおすすめです。
(株)iimonの「速いもんシリーズ」を活用し、業務効率化を目指しましょう。
まとめ
不動産の仲介業務は、賃貸と売買でフローが異なるため、それぞれの業務の特性を理解することが重要です。
不動産の仲介業務をスムーズに進めるには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 顧客の希望条件を細かくヒアリングし、最適な物件提案を行う
- 物件管理を行い、物件情報や空室状況を常に把握しておく
- ITツールを導入して業務効率化を図り、顧客満足度を高める
業務効率化においては、(株)iimonの「速いもんシリーズ」の導入がおすすめです。
「速いもんシリーズ」を導入することで、物件情報の入力や確認、分析などの作業時間を大幅に削減でき、顧客対応に専念できます。
不動産会社の業務効率化や生産性向上にお悩みの方は、ぜひ(株)iimonの「速いもんシリーズ」の導入をご検討ください。

iimon 編集部