「不動産保証協会とは何?」
「どのような組織なのだろうか?」
「加入するメリットは?」
このような疑問をもっている人も、多いのではないでしょうか。
不動産業界で重要な役割を果たす不動産保証協会ですが、その具体的な機能や利点については知らない点も多いでしょう。
不動産保証協会は、消費者と不動産会社の双方にメリットをもたらす組織なのです。
不動産保証協会についてくわしく理解するために、本記事では以下の内容を解説していきます。
- 不動産保証協会の歴史
- 不動産保証協会の役割
- 不動産保証協会へ加入する2つのメリット
この記事を読むと、不動産保証協会の重要性がわかり、独立開業に向けた一歩を踏み出せますよ。
目次
不動産保証協会の歴史

不動産保証協会は、1972年9月27日に社団法人として設立されました(※1)。
公益社団法人全日本不動産協会が母体となり設立された団体で、当時の建設大臣(現在の国土交通大臣)の許可を受けています。
平成23年12月1日には公益社団法人へ移行し、現在の「公益社団法人不動産保証協会」として活動中です。
また不動産保証協会は「全日」の略称や、協会ロゴマークにちなんで通称「うさぎ」と呼ばれることも。
うさぎのマークは、
- 的確な情報収集力
- 未来を見る眼
- 躍進するジャンプ力のある足
を示しているのです。
(※1)出典:公益社団法人 全日本不動産協会 公益社団法人 不動産保証協会「入会のご案内と協会のご紹介」
不動産保証協会の役割

不動産保証協会は、不動産取引の安全性を確保して「消費者」と「不動産会社」の双方を支援する役割があります。
両者の観点から、くわしい役割を見ていきましょう。
役割1:消費者保護
不動産保証協会のおもな業務のひとつめは、消費者保護です。
具体的には、以下のような活動を行っています。
活動 | 内容 |
苦情解決業務 | 消費者からの苦情を受け付け、会員不動産会社との間で調停を行う |
弁済業務 | 不動産会社の取引により生じた債権の弁済を行う |
手付金等保管事業 | 取引の安全性を高めるため、手付金などの保管業務を行う |
上記により、消費者は安心して不動産取引を行えるのです。
万が一問題が発生した場合でも、不動産保証協会が仲介役となり、解決に向けて支援しています。
役割2:不動産会社の支援
不動産保証協会は、不動産会社に対してもさまざまな支援を行っています。
活動 | 内容 |
研修・講習の実施 | 宅地建物取引士や不動産会社に対して、専門知識や最新の法改正情報などの研修を行う |
情報提供 | 宅地建物取引業に関する調査研究や情報収集を行い、会員に提供 |
業務指導 | 適正な取引を行うための指導や助言を行う |
上記の支援により、会員の不動産会社は常に最新の知識をもって業務を行えるのです。
不動産保証協会へ加入する2つのメリット

不動産保証協会に加入すると、大きく分けて以下2つのようなメリットを受けられます。
- 開業の経済的負担軽減
- レインズ(REINS)が利用できる
いずれも独立開業を考えている人にとって、重要なポイントです。
順番に見ていきましょう。
メリット1:開業の経済的負担軽減
不動産保証協会に加入する最大のメリットは「営業保証金の軽減」です。
営業保証金とは、不動産取引において「消費者保護」をするために、事前に預け入れる必要のある供託金をさします。
具体的には、不動産保証協会への加入有無で、以下のような金額の差があります。(※主たる事務所で入会する場合)
加入状況 | 供託金 |
非加入 | 法務局に1,000万円の営業保証金を供託 |
加入 | 不動産保証協会に60万円の弁済業務保証金分担金を納付 |
出典:e-Gov 法令検索「宅地建物取引業法施行令(昭和三十九年政令第三百八十三号)」、公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会「公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会のご案内」
不動産保証協会に加入していない場合は、法務局に「1,000万円」の営業保証金を供託する必要があります。
しかし、不動産保証協会に加入していれば、主たる事務所1か所につき「60万円」の弁済業務保証分担金を納めれば良いのです。
新規開業する人にとって、不動産保証協会に加入する経済的メリットは大きいといえるでしょう。
供託金の納付方法などについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
メリット2:レインズ(REINS)が利用できる
不動産保証協会に加入すると、レインズ(REINS)を利用できるようになります。
レインズは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する、不動産情報ネットワークシステムです。
レインズのおもなメリットは以下の3つです。
メリット | 詳細 |
豊富な物件情報が得られる | 全国の不動産会社が登録する物件情報にアクセス可能 |
取引の迅速化 | 物件情報の共有により、取引のスピードアップが図れる |
不動産市場動向の把握 | 取引価格や成約状況などの情報から、市場動向を分析できる |
レインズは「業務効率化」と「顧客満足度」の向上につながる重要なツールだといえるでしょう。
不動産業に欠かせないレインズについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
不動産保証協会(うさぎ)と全国宅地建物取引業保証協会 (はと)の違い
不動産開業時に加入するとさまざまなメリットがある保証協会ですが、国内には2種類あります。
略称 | 通称 | |
---|---|---|
不動産保証協会 | 全日 | うさぎ |
全国宅地建物取引業保証協会 | 全宅 | はと |
いずれも全国に本部がある公益社団法人で、加入するメリットや費用に大きな差はありません。
どちらに加入するかは、取引先や付き合いのある会社が、どちらの組織に加入しているかを考慮して選ぶのがおすすめです。
うさぎ・はとの保証協会の違いについて、詳しく知りたい人は下記も参考にしてください。
独立開業するなら「速いもんシリーズ」

無事に独立開業したあと、もっとも不安な点は「経営が安定化するか」ではないでしょうか。
経営を安定させるためには、物件情報の調査〜登録作業や営業活動などさまざまな業務を限られた時間で行う必要があります。
しかし不動産業の業務量は膨大で、時間や手間がかかることも事実です。
そこで活用したいのが(株)iimonが提供している「速いもんシリーズ」。
速いもんシリーズとは、不動産業における業務を簡単に効率化できる便利なツールで、以下9種類のラインナップがあります。
サービス名 | 特徴 |
不動産ポータルサイトへの入力作業を効率化 | |
賃貸物件の新着・更新情報の洗い出しを効率化 | |
ライバル会社の掲載状況を自動分析 | |
物件情報を1クリックでPDF・URL化 | |
賃貸物件情報の元付会社を簡単に特定 | |
賃貸物件の募集状況をまとめて確認 | |
1サイトで複数サイトの物件検索が可能 | |
見積書をワンクリックで瞬時に作成 | |
入力間違い╱他社募集╱条件判定を1クリックで判定 |
なかでも「入力速いもん」には、不動産業の業務効率化に欠かせない機能が備わっています。
具体的には、
- 業者間流通サイトの物件情報を「1クリック」で保存
- 不動産ポータルサイトへ「1クリック」で反映
といったように、最短「2クリック」で物件情報の入力作業を完了できるものです。
下記の動画でも、くわしい内容が説明されているため、確認してみてくださいね。
【事例】「入力速いもん」導入で業務効率は2倍に!
ここからは実際に「入力速いもん」「物出し速いもん」 を導入した、企業の実例を見ていきましょう。
大阪府茨木市を中心に活動している「株式会社エストコーポレーション」では、以下の悩みを抱えていました。
- 対応エリアの拡大による、新着物件の登録作業に手間がかかる
- 文字情報や画像をWebからダウンロードしたり、切り取り作業などに時間がかかる
しかし「入力速いもん」を導入したところ、
- 物件登録にかける作業時間が短縮され、登録数が従来の2倍に!
- 新着情報を1日のうちに複数回確認できるように!
といったように、悩みは解消されて納得できる成果も得られました。
まとめ
不動産保証協会は、不動産取引の安全性確保と消費者保護をおもな目的としており、「全日」の略称や通称「うさぎ」と呼ばれる団体です。
不動産保証協会のおもな役割は、以下のとおりです。
役割 | 詳細 |
消費者保護 | ・苦情解決業務 ・弁済業務 ・手付金等保管事業 |
不動産会社の支援 | ・研修・講習の実施 ・情報提供 ・業務指導 |
また不動産保証協会へ加入すると、以下のようなメリットがあります。
メリット | 詳細 |
開業の経済的負担軽減 | ・非加入時:1,000万円の営業保証金 ・加入時:60万円の弁済業務保証金分担金 (※主たる事務所で入会する場合) |
レインズ(REINS)が利用可能 | ・豊富な物件情報へのアクセス ・取引の迅速化 ・市場動向の把握 |
なお不動産開業後の業務効率化には(株)iimonが提供している「速いもんシリーズ」が有効で、とくに「入力速いもん」は物件登録作業を大幅に効率化できるツールです。
さらに、初期費用0円で速いもんシリーズを導入できる「不動産開業パック」も提供中です。
業務効率化ツールも利用して、独立開業を成功させましょう。

iimon 編集部